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by bluecult
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バランク遺跡
6日目(2005/4/12)Campeche

この日は朝早くからカラクムル&バランク遺跡ツアーに出かける。一番遠いカラクムルはグアテマラ国境に近いこともあってカンペチェを6時に出て22時に戻る予定の
1日がかりのツアーになる。

カラクムルの周辺(といっても数十kmは離れているが)には、バランク(Balamkú)遺跡、リオ・ベックスタイルと呼ばれる建築様式の遺跡群
 シュプヒル(Xpuhil)、ベカン(Becan)、チカナ(Chicana)、
 オルミゲーロ(Hormiguero)、リオ・ベック(Rio Bec)

があるが、日帰りだったので、ツアーに含まれるのはカラクムルとバランクのみだった。

時間通り6時にホテルに迎えが来る。
旅行会社で申し込んだときにもう一組迷ってる人たちがいるということだったが、結局迎えに来たのはドライバー兼ガイドとその見習いが乗った普通の乗用車だった。
8時頃、途中にある街のレストランで1時間近く朝食を取る。遺跡周辺は自然保護区なので食事を取るようなお店は全くない。そのため、昼食用に八百屋で果物を買っておく。さらに1時間ちょっと走って、ようやくバランク遺跡に到着した。

バランク(Balamkú)
カンペチェからカラクムルのある自然保護区に繋がる道路からはずれ、すこし入ったところにある。
1990年に偶然発見されて、修復などが行われたが、どこもかなり浸食が進んでいた。550年から650年の間に建てられたと考えられている先古典期のマヤ遺跡。
Balamkúはマヤ語で、Jaguar's Temple(balam=jaguar、ku=temple)という意味で、その名のとおりジャガーの美しいレリーフが残っているらしい。(古い神殿の外壁だったが、後からその外側に新しい神殿が建てられたため、鍵を開けてもらって建物の中に入らなければ見れない。開放する期間が決まっているということで、私たちは見れなかった。)

<マヤ式の家>
バランク遺跡_c0035559_0481125.jpgマヤ時代、身分の高い人は石造りの家に住んでいたということだが、一般の人々はこのような家に住んでいた。現在でも、このマヤ式の家に住んでいる人がいる。メリダから遺跡に向かう途中の街でも見たし、驚くことに、日常的にマヤ語を話す人もいる。カラクムルの案内板の多くは、スペイン語、英語、マヤ語で書かれていた。

<The House of Four Kings>
建物の中に入ると、浮き彫りの美しい壁とその上にそびえる神格化された王の彫刻が4体ある。王の誕生と死と太陽の1日のサイクルが重ね合わせて表現されている。太陽が地表から昇るように、王が地の怪物の口から出現し、太陽が沈むように、王の死は地の怪物の口の中に呑み込まれる様子で表された。

バランク遺跡_c0035559_264188.jpgバランク遺跡_c0035559_22492052.jpg
写真左が西側にある沈む太陽(王)を、写真右が東側にある昇る太陽(王)を意味する彫刻。
どう違うんだろう?昇り沈みを意味する表現があるのかな?それとも方角だけ?

彫刻の全体像を写真に撮らなかったのが悔やまれるが、写真の像の下に、地の怪物(Cauac)が彫刻されており、地の怪物の裂け目から両性類が、そしてその180°開かれた両性類(カエルとワニ。写真はカエル)の口から王が出現している。地の怪物の口からは蛇が伸び、それらの横にはジャガーが描かれている。
「下界=死後の世界」と「上界=神々の世界」とを隔ている地の怪物とジャガーは「地上の富」を、両性動物はその生殖能力から「多産・豊穣」を象徴している。両生類は水陸で生活することから、2つの世界を行き来することを意味している。


<住居跡>
バランク遺跡_c0035559_0595584.jpg神官の住居跡。
小部屋が3つ連なった長屋になっている。真ん中に見える5つの穴、住んでいる人の階級が高い証拠。他の2部屋は、それぞれ3つ、1つしか穴が空いていなかった。

by bluecult | 2005-05-15 00:38 |  ┣メキシコ
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